次に、中心軸がズレるとどうなるか、少し例を書きます。
(日本人ダンサーのほとんどが、後ろにズレでいます)
A.引き上げて使う
これは毎日のように耳にする言葉だとおもいますが、中心軸が
後ろにズレているダンサーが引き上げを頑張る、もしくはお尻や腰、
背中の筋肉に常に力を入れているような昔風の体の使い方をすると、
お尻が落ちた格好になり、ますますバックバランスになります。
重力線と体の中心軸がズレた分は、筋力でなんとかするしかありません。
これでは、美しい体・美しい動きから遠ざかってしまいます。
中心軸のズレが少ないダンサーは、最小の筋肉で最大の動きが出来ます。
少ない筋肉でも引き上げて使えるのです。
B.ポワント
中心軸が後ろにズレているダンサーは、ポワントでも重心がポワントの
中央にないので、ふくらはぎに力を余計に入れることになり、ふくらはぎの
筋肉が太くなり、力こぶのようになります。
当然足関節も最大限には底屈していません。
このように中心軸がズレているダンサーは、本来使ってはいけない筋肉を
使わざるを得なくなります。
C.内モモを使えない。
中心軸がズレることと、ターンアウト不完全はセットですから、内モモが
使えないダンサーは中心軸もズレているし、ターンアウトも不完全、
内モモだけでなく体の中心の筋肉も使えない。
逆にモモ前やふくらはぎの筋肉が使われ発達し、ダンサーではなく
アスリートのゴツイ脚になります。
力学的に無理の多い構造の体になっているので、仕方ないのです。
内モモを使えるようになるには、構造を直すのが一番の近道です。
私は、社会には経済だけでなく、芸術・文化が絶対に必要だと思いますので、
この分野の方には頑張ってほしいし、応援したいと思っています。